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私たちは誰でも変身願望を持っています。整形手術でもしないかぎり実際に変身するのは困難ですが、コスチュームを着ることによって変身願望を満足させることができます。
別に悪いことをしているわけではないのに、警察官やパトカーを見るとドキッとすることがあります。このような反応のことを、心理学用語で、「条件付け学習効果」と呼ばれています。
ちなみに、このとき私たちは警察官の顔はほとんど見ておらず、征服やパトカーにだけ気を取られています。ある心理学者の実験によると、被験者たちが警察官に職務質問を受けた後、「警察官の顔を10枚のなかから選んでほしい」と依頼したところ、7割以上の人が間違ったそうです。もちろん警察官は偽物ですが、被験者たちはそれを知りませんでした。
私たちは征服に特定のイメージを持っています。たとえば、看護士の白衣には「優しくて献身的」、警察官の制服には「怖いけど正義の味方。服従しなければならない」などです。ガードマンが警察官に似た制服を着てパトカーに似た車に乗っているのも、私たちが警察官に持っているイメージを利用するためです。
実は、制服を着た人にも「征服のイメージに従おう」という心理が働きます。ふだんは口数の少ない女の子も、ファストフード店で征服を着てアルバイトをすると、笑い顔ではきはき受け答えができるようになるのはそのためです。
アニメやドラマの登場人物のコスプレは、この制服効果の最たるものと言えるでしょう。
いつもはうつむき加減で歩いている内気な子が、派手なコスプレを着たとたん、みんなの前で大胆なポーズをとる・・これは、コスプレによってふだんの自分とはまったく違う自分に変身していると考えられます。
このように、通常とは異なる衣装を身につけたり仮面をかぶることによって、通常できないことができるようになるのを「ペルソナ効果」といいます。
つまり、コスプレ好きな子は変身願望を持っているということです。とくに、人気のキャラクターや派手なコスチュームを選ぶ子ほど、ふだんは内気で人づき合いが苦手な性格の持ち主のようです。
みんなに注目されたい、派手に生きたいというのが、彼(彼女)たちの理想像なのです。
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