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仲間と一緒にいると行儀が悪くなるのは、のけ者にされたくないため
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人は自分がどこの誰か特定されないと、強い攻撃性を発揮することが心理学の実験で分かっています。遠足のとき大騒ぎし、周囲に迷惑をかける子どもが多いのもそのためです。
ふだんはとてもおとなしい子が、友だちと一緒に電車やバスに乗ると、大声を出したり周囲の迷惑になることをする場合があります。
これは、「同調力」と、「責任の希薄化」という心理によるものです。
同調力とは、ある集団のなかにいると、
「みんなの意見に納得しやすくなる」
「みんなに認めてもらいたいという気持ちになる」
「尊敬している人の考えに同調しやすくなる」
という3つの心理が働くことです。
たとえば、ふだんは電車の中で静かにしている子でも、友だちがまわりで騒ぎ始めると、「このまま自分だけおとなしくしていると、のけ者になる。僕もみんなに認めてもらいたいから騒ごう」「みんな騒いでいるから、僕も騒いでもいいんだ」と考えます。
しかも、周囲からは「なぜ僕たちと同じ行動をとらないの?」という無言の圧力もかかりますから、しかたなく騒ぎ始めてしまうのです。
さらに、乗客に「こらっ、静かにしなさい!」「学校に言いつけるわよ!」と怒られても、自分だけが怒られたわけではないという気持ち(責任の希薄化)と、自分の名前は分からないはずという匿名性が働き、あまり気になりません。
修学旅行中に他校の生徒とトラブルを起こす中高生もいますが、この原因も同じところにあります。
友だちをつくる、団体行動をとるというのは、コミュニケーション能力を高める上で大切なことです。
ですが団体行動中には、このような問題が生じる可能性もあることを知っておくべきでしょう。
団体行動中にこのようなトラブルを起こさないためには、みんなから尊敬されている上級生と行動を共にさせることです。
これは同調力のなかの「尊敬している人の考えに同調しやすくなる」という心理を利用するものです。
尊敬している上級生と一緒に行動していれば、子どもたちはその人の行動や考えを真似るようになります。ただし、その上級生の素行が悪いと大変なことになるので気をつけてください。
⇒子どもの立派な育て方・しつけ方
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